黒柴犬・静(しず)の闘病記(3) 9月 残された時間 2017/9月

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あぁ・・・9月も、もう終わりかけてる。

2017/9/26 あと1日。

朝、仕事に出る時に、静に声を掛けると、
ちょっと顔を上げて、こっちを見てる。
普段は、声を掛けても反応無いので、
『おや?』と思った。

夜。
零も静も、特に変わったところはみられない。

ごはんもちゃんと食べた。

クスリもちゃんと飲んだ。

夜半。
横で寝ている静が、ちいさな声で、
『ぴー』と言った。
様子を見ると、ちょっと動悸が早いかな?
と思った。
とりあえず、水飲み場まで連れて行き、
水を飲ませる。
フラフラするので、姿勢サポートした。
ちょっとしか飲まなかった。

また、後から思う事だけど、
なんでこの時、スポイトを使って、
しっかり水を飲ませてあげなかったのかと思う。

そういうささいな所に、
いろいろと心残りがある。

静を妻の横に寝かせた。
それが一番安心出来るだろうから。

それが、静と過ごした、最後の夜。

2017/9/27 そして別れの日。

まだ、朝早い。
寝ている静。

本当にどうって事ない写真です。

でも、これが、
生きている静の、最後の写真。

この後起きて、
健康的な立派はうんちが出た。

静は、朝ごはんをしっかり食べて。
全部食べても、もっと欲しいって、
スプーンを齧った。
食後の栄養ドリンクだって全部飲んだ。

そんなだから、
静は、
人生に悲観なんてしていなかったし、
まだまだ生きるつもりだったと思う。

いつもの通り、静を抱いて、
ベランダから外の景色を見る。
いつもの通り、静は、
人やクルマを目で追っている。
本当に、いつも通り。
だからぼくは、まだもう少しは、
こうやって一緒に暮らして行けるものだと、
疑いもしなかった。

仕事に出る時、静に声を掛けた。
ちょっと顔を上げて、こっちを見てる。
少なくても、この2か月間で、
そんな行動をしたのは、昨日と今日の2日だけだ。

本当にその時思った事か?
後付けで上書きした考えなのか?
もう自分でもどっちか分からないけど。
静は『行かないで』って言ってるみたいだった。

そうもいかないだろ。
帰って来たら遊ぼうね。
なんて適当な事を言って家を出たと思う。

それが、静とぼくの今生の別れだった。

連絡。

職場、まだ朝のうち、
スマホにメールが入る。
妻からだ。

静の動悸が早くて心配だから、
獣医さんに連れてきた。
点滴をする事になったので、
帰りに迎えに行って欲しい。

この日は、4輪で行ってたので何の問題も無い。

『了解』と返信した。

15:00ごろ。
スマホに着信。

なんと獣医さんからだ。

状況としては、
どうやっても良い予感など持てない。
その通りだった。
静の臨終を告げる電話だった。

なんと言う不覚!
見送る事が出来なかったとは。

静の介護における最大の痛恨事は、
まさにこの点だった。

可愛そうな事をしてしまった。
阿呆な俺を、許してくれ。

本当に、
お疲れ様でした。

誰にだって自慢出来るくらい頑張ったから。
もう、ゆっくり休みなさい。

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