ジョジョ第1部 ラスト! 何故ディオは首だけの姿だったのか?

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荒木飛呂彦先生。
集英社 ジャンプコミックス
ジョジョの奇妙な冒険 第1巻
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導入部に全てが含まれる・・・が、重要なアレが無いぞ!

導入部には波紋にかかわる伏線が全く無い

ジョースター邸焼失事件・・・・・その後に来るのが、
エリナの看病のシーンである。

導入部に、エリナが医者の娘で有ることが書いてある。
エリナの看病のシーンの伏線である。
※ここで言う導入部とは、連載時の第1話を指します。

次に、ツェペリさん登場。
物語は新展開!、波紋戦に突入・・・・です。
物語もガラリと変わって、
ラスボスを目指して、勝負→勝負→勝負。
典型的な少年マンガペースになる。

ツェペリさん登場の前後では、物語が全然違う。
しかも、波紋戦・波紋法については、
導入部には、関連した何の記述も無い。

最重要項目のひとつである波紋法なのに!
全てが含まれているハズの導入部に、
何故、関連した記述が無いのか!?

導入部で波紋に触れられていない理由。

当時の少年ジャンプの状況は、既に書いた。
バオーとビーティーが短期連載で終わってしまって、
荒木先生は、まだレギュラーポジションでは無かった。

思うに、
ジョジョの連載を始めるに当たって、
荒木先生は、
もしも短期間で連載が終わってしまった場合でも、
物語として完璧な形で綺麗に完結させたい!
と…考えたのではないだろうか?

その場合の最小構成が、
ジョースター邸焼失→エリナの看病→船の事故。
という順に進むストーリーだったのでは無いか?

波紋戦のパートは当初の構想に無かった!
・・・と言う事では無いと思いますが、
波紋戦は、もしも、連載が続けば、
第2部から出すつもりだったのでしょう。 

ジョジョを代替わりさせて2部に進むのは、
まだちょっとリスキーだぜ、
もう少しジョンサンに活躍させろよー!
みたいな圧力があったのカモ知れません。 

それは冗談だとしても、
連載の長期化に対応して、
物語の構造を大きく変更する必要があった。

ジョジョが短期で終わらなくて、本当に良かった!

もしも、短期連載打ち切りだったら、
ツェペリさんの物語も無かったかもしれない。

もっとも、
ジョジョの連載が短期でで終了してしまうなら、
ジョースター家もその時点で消滅してしまうので、
ツェペリさんの物語も意義を失います。

ツェペリさんの物語もまた、
物語の構造変更の過程で生み出された物なのでしょう。

ジョジョが長く続いてくれて良かった!

『サンライト・イエローのオーバードライブ!』
波紋で戦うジョナサンはカッコ良い!

筆者も、大好きである。

ジョジョ ファントムブラッド
ジョジョ ファントムブラッド

荒木飛呂彦先生/集英社/ジャンプコミックス

早々に連載打ち切り・・・・・
なんて事にならなくて、本当に良かった。

しかし、
短期でも完璧な物語から長期連載に対応する形に、
物語の構造を大きく修正した。
その為に物語自体が、大きく変わってしまった・・・・・

短期型から長期型への変更は、珍しくない

長期連載作品ともなれば、
そういう事は良くあるのでしょう。

代表的な例は、
高橋留美子先生の『うる星やつら』です。
面堂終太郎の登場以前と以後で、
まるで別のマンガみたいに変わりました。

それこそ典型的な、
短期連載から長期連載への転換であり、
意図的な、物語構造の変革であります。

余談ではありますが、
『うる星やつら』ならば、筆者は、
長期連載モードになる前の物が好きです。
そこが一番、作家と作品の個性が濃くて、
一番『うる星やつら』らしいからです。
それもまた、ジョジョと共通してます。
一部前半は、
ジョジョの中のジョジョですから・・・・・・・(^^;

『うる星やつら』と『ジョジョの奇妙な冒険』
それぞれの先生の代表作であり出世作です。

じっくり比較しても面白いかもしれません。

まぁ、筆者には当面そんなヒマは無さそうです。
なにしろ貧乏ヒマ無しなもんですので・・・・・・(^^;

ツェペリさんの物語。

ツェペリさんの生涯の物語 ポイント(1)

そして、ツェペリさんの物語です。
確認してみましょう。

重要なポイントは、ふたつです。

ひとつ目は、
父親が、石仮面をかぶってしまった!
・・・・・という点です。

自分自身には何ひとつ落ち度は無いのに
そのせいで、人生が一変。
幸福な普通の暮らしは消え去り、
波紋戦士として生涯邪悪な物と戦い続けるという、
過酷な運命に引き込まれてしまった。

ツェペリさんの父親・・・船長を務めた立派な人。
吸血鬼になって殺戮の限りを尽くし、
太陽の光を浴びて消滅。
その後も、息子の人生に暗い影を落とし続ける。
まさに、石仮面の呪いです。

ツェペリさんの生涯の物語 ポイント(2)

ふたつ目は、
ツェペリさんは、ジョナサンの師であり、
第2の父親とも言える存在であります。
師として、父親に準ずる存在として、
弟子(子)であるそのジョナサンを助ける為に、
身代わりになり、命を落としてしまう!
・・・・・・という点です。

自分の後継者であり、
将来の希望である若い人を助ける為、
無償で自分の命を投げ出したんです。

その事が、
精神(黄金の精神)の継承にもなってます。

ジョジョ ファントムブラッド

ジョジョ ファントムブラッド
荒木飛呂彦先生/集英社/ジャンプコミックス

その壮絶な生涯が、歴代ジョジョの運命の雛形。

ツェペリさんの生涯の物語・・・まとめ。
自分は何も悪く無いのに、
石仮面をかぶった親(先祖)のせいで、
化け物と戦い続ける、修羅の人生を送る。
それが、報われる事も無いままに、
未来の希望である若い人を助ける為に、
無償で命を投げ出す。

なんともはや、壮絶な生き方です。
石仮面の呪い恐るべしです。
ツェペリさんが無私である事もすさまじい。

これは雛形なんです。

歴代のジョジョ達の人生の雛形となって、
彼らの運命に、影響し続けているんです。
もちろん、比喩的な意味です。

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