くらもちふさこ おしゃべり階段 衝撃Z750Twin

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ただの恋バナじゃない、成長物語

こんなお話です。

おしゃべり階段は、
ヒロイン・加南の中2~1浪を経て大学に合格するまでの、
数年間のお話である。

少女マンガだから、恋物語が中心に見えるけど、
それは表面にまぶした砂糖味にすぎなくて、
実はヒロイン・加南の成長を描く事を主軸としてる。

加南は、
くせっ毛と背が低い事にコンプレックスを持つ女の子。
自分に自信が無い。
トラウマがあって友情についても臆病。
恋も上手くいってない。
ある人物の一言がきっかけになり、
コンプレックスのひとつを乗り越えると、
加南の世界は少しづつ広がり始める。

くらもちふさこ おしゃべり階段
くらもちふさこ おしゃべり階段 Kindle版より

だからこれはもう文学だ。

上に書いた通り、
筆者は高校時代にこれを読んでいる。
きっと当時の筆者は、
加南と一緒に悩んだり、元気をもらったりしたハズだ。
 
マンガ家というのは、
いろんな才能を必要とする仕事だと思うけど。
この作品から感じる才能は、
もういい歳の大人になってからもなお、
あの年齢の時にしか感じる事の出来ない心の動きを
作品に描き出す事が出来る!
 ・・・というところ。
この作品が凄い点はそこだと思う。 
 
そして、
今になって読み返して驚いた、
ポイントポイントでしっかりと加南の成長が描かれてる。
 
子供時代が終わる事に気付いて淋しく思ったり。
友人の光咲子の事を思いやったり。
制服というATフィールドから脱却したり。
現役受験と1浪受験の取り組み方の違いとか。

くらもちふさこ おしゃべり階段
くらもちふさこ おしゃべり階段 Kindle版より

ラスト近くの、
加南が過去に思いを馳せるシーンには、
胸がジンと来た。
 
そりゃあそうだよ。
高校時代のぼくは、加南といっしょに、
悩んで頑張って成長して来たのだし、
ジジイになったぼくは、
加南を通して、自分の青春時代を追体験してるんだから。
 
心から加南に言いたい、
ご苦労様、頑張ったね!
そして、
頑張った分だけ、幸せになって欲しい。 
 
掘り下げられた心情描写に加えて、
堂々としたテーマを持った芯の通ったストーリー!
当時の少女マンガのレベルを完全に超えていて、
これはもう、文学と言って良いと思う。

それが、単行本たったの2巻に凝縮されている。
短歌や俳句のように、
ひとつひとつのカットやセリフ、
よくよく考えて造ったのだと思う。
この密度だから、多少ご都合主義な所も仕方が無い。

小ネタ発見!

意外! くらもちふさこ先生のジャンプ愛!

まず、↓のコマをご覧ください。
左上に両さんの横顔肖像が!


くらもちふさこ おしゃべり階段 Kindle版より

くらもちふさこ先生の手による、
両さんの肖像画・・・・・・・・・・(^^ゞ  
 
なかなか貴重ではないでしょうか!?(笑)

そしてこちら!
成績順位で、光咲子が学年5位を取ってる。


くらもちふさこ おしゃべり階段 Kindle版より

4位:秋元 治
6位:小林 よしのり
7位:東大 通

ねっ! ジャンプ愛でしょ(笑)
しかも、
くらもち先生ギャグマンガがお好きのようです。
 
3位:甲斐よしひろ・・・・なんですが、
これも、甲斐バンドの関係と言うよりは、
亀有公園前へのオマージュのような気がします。

両さんはともかく、
東大一直線を読みながら、
おしゃべり階段を書いていたんですねェ。
なんだかスゴイ・・・・・・・・・・・・(^^ゞ  

8位:高橋まゆみ・・・・これだけは分かりません。
何かジャンプと関係あるのでしょうか?
ご存じの方いましたら教えて下さい。

コメント

  1. 匿名 より:

    高橋まゆみさんは、元ミュージックライフの編集長で、甲斐よしひろさんの最初の奥様ですよ。

    • 小犬のプルー より:

      匿名さん ありがとうございます。
      そうですか!?
      高橋まゆみさんと言うのは実在する方だったんですか!
      しかも甲斐よしひろさんの奥様ですかー 
      腑に落ちる事しきり、ありがとうございます。

      • みく より:

        45年前の、高校時代に、おしゃべり階段を読みました。線と、加南が大好きで、その世界にはまりこんでいました。それ以来、なにか、暗証番号を、決める時は必ず1000番と、決め、線のことを、変わらず思っている私がいます。こんな、歳になっても、この物語に、共感し、ときめく自分がいることを、驚き、安心します。線と加南どうか永遠に‥‥

        • 小犬のプルー より:

          みくさん
          コメントありがとうございました。
            
          返信が遅くなってしまって本当にごめんなさい。
          ここ2~3日何かと多忙だったもので・・・・・と少し言い訳してみます。   
            
          くらもち先生の作品はみんな好きでしたが、
          その中でも『おしゃべり階段』は別格です。  
          今でも読めば、高校生の頃の気持ちに戻ってしまいますよ。