ククルス・ドアンの島は、安彦さんから古いファンへの最後の贈り物だと思う。

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劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島!
DVDが出ましたので、早速鑑賞してみましたよ。  
そして何故これは、『安彦さんから古いファンへの最後の贈り物』だと思えるのか?

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ククルス・ドアンの島は、安彦さんから古いファンへの最後の贈り物だと思う。

※ ネタバレしています、ご注意下さい! ※

自分なりの、考察・感想・妄想を書き連ねているだけの文章です。
記載内容の正確性・信憑性については、保証出来かねます。

当然、人それぞれいろいろな考えや思いがあるハズです。
ご意見、ご感想などは有難くお受けしますが、
他の人を否定するようなカキコミや議論的なやり取りについてはお断りしてます。
他人様(自分以外のすべての人)を誹謗中傷するような投稿は一切禁止となっております。

見所1 安彦さんの絵があってこそのガンダム!

ガンダムがカッコ良く書かれてる。

やっぱり、安彦さんの絵で!現代の技術で!見るガンダムは良いです
この映画の見るべき点はそこです。

そして何故、ククルス・ドアンの島なんだろうか?    
よりにもよって・・・ねェ。

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

ガンダムってのは名作中名作のハズなのに、
実際、そのクォリティ自体は、あまりに低い作品な訳ですよ。

もちろん昔の作品なので仕方無い部分は当然あります。
しかし、先行するヤマトやコナンは、それなりのクオリティを持っています。
それらに比較すれば、ガンダムってのは低予算だったんですね。(多分・・・)  
・・・・普通の子供向け番組だった、予算とかそういう面においては・・・ですね。
仕方の無い話ですよ。  

ただガンダムって、知名度は高いし今でも続くシリーズだし、
どうしても後世の作品と比べられたりしちゃう訳ですよ。
どうしてもね。
かなり昔のただの子供向け番組なのにね。

それがあまりに不憫だとかアンフェアだとか・・・で、
それで安彦さんは、ガンダム・オリジンのマンガを描き始めた・・・・
みたいな話をどこかで読んだ事があります。

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劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

だけど、映像化されたガンダム・オリジンは、シャアの若い頃の話で、
ファーストのリメイクとは違いました。  

この、ククルス・ドアンの島は、オリジン世界の一部という位置付けですから、
オリジンもようやく、1年戦争部分のリメイクになった訳ですね。  
これで安彦さんも肩の荷が降りたのでしょうかね?   
ガンダムの絵、カッコ良かったです。    

でも何故、ククルス・ドアンの島
作画崩壊で有名な回ですよ。 
その部分だけを映画化って・・・・・?

まぁ、その辺も映画見て見れば、あぁ・・・って気分になります。  

ブルーレイ版がこちら。

DVDがこちら!

モビルスーツ戦も楽しむ!

ガンダムですからね、
見どころのひとつは、モビルスーツ戦になる訳です。

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

ガンダム! カッコ良く描かれてます。
そして、15歳のアムロのパイロット姿をまた見られるなんて!
自分のような古いガンダマーは、それだけでもう感慨深いです・・・・・・・・・・(^^;  

ザクもカッコ良い!

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

ガンダムという作品では、ジオン側のMS(特にザク)がカッコ良いかっ!?
ってのは大きなポイントですが、その点も抜かり無いです。  

改めて見ると、ザクのデザインって全然古びて無いです。  
世界感にあってる・・・と言うか、ザクやムサイが世界感そのものみたいなトコあります。
(ムサイは出て来ませんけど)
そもそも最初にガンプラに火を付けたのって、ザクですからね。
デザインの大河原さんのファインプレーです。

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モビルスーツ!動き方にも意味が有る!

牛若丸みたいに?
猿みたいに?
ジャンプして、ドアンのザクの攻撃をかわすガンダム!

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

旧作では、こんな動きは見られなかったと記憶してます。
が、ガンダムってのは、ジャンプ+バーニアで戦闘機と空中戦をしちゃうようなヤツ!
・・・・のハズだったではありませんか。

それぞれのMSに特性の違いがあるのだから、動きも戦い方も違って当然
みたいな事を描きたかったのだと思います。   
ザクとガンダムは違った戦い方をするんだよ・・・・・みたいな。
それも安彦さんのこだわりだったのだと思えます。  

高機動ザクのホバー走行にジャンプ力で対抗・・・ってトコなんかもキチっと描きたかったのだと想像してます。

見所2 あぁホワイトベースよ!

なつかしいホワイトベースとクルー達。

ホワイトベースのブリッジ。

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

色使いが重厚になったり、手摺状の構造物が追加されたりと、
多少の変更はあるものの、ほぼ旧作通りのレイアウトです。  
これまた、古くからのガンダマーにはたまんない絵です。

あぁそうそう。
今回、ブライトさん少佐に出世してましたよ。

旧作では、スレッガーさんと同じ中尉でしたね。
同じ中尉なので、わざわざ『指揮権は私に有る』なんて言わなきゃならなかった
これでブライトさんも少しは苦労が減ったなら良いんですがねェ。  

ま、オタク方面などから、艦長で左官クラスじゃ無いのはおかしい!
なんてツッコミが有るのでしょう。  

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ブライトさん、ミライさん、スレッガーさん・・・・セイラさん。

組織の人として動くしかないブライトさん。
自由人のスレッガーさん。

ブライトは本部や参謀の対応を行い、スレッガーは兄貴分として若いクルーを引っ張る。
それぞれ役割があって、チームとして良くやってる。
この辺も旧作では十分に描き切れ無かったな・・・と思ってた部分なのでしょう。  

その辺も分かり易く描かれてますよ。

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

スレッガーさんに内緒話をするミライさん!
スレッガーさん・・・・『惚れてまうやろっ!』

ブライトの個室にミライさんがコーヒーを持って行くシーンもありますよ。
ここのミライさんって意外に小悪魔のこじらせ女子ですね・・・・・・・・・・・(^^;     

ずっと思ってたのですが、
本当はミライさんって、もっと美人に描かないとダメですよね。  
今回は、昔のデザインに忠実にやってますけどね。  

ガンペリー!? カイさん、ハヤト、ジョブ・ジョンさん!

ガンダムとキャノンを積んでガンペリーで出撃! 
そんな懐かしいシーンもありますよ。

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

そして、ジョブ・ジョンさん!
またお会い出来るなんて思ってもいませんでした。  

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セイラ、アムロ、フラウ・ボゥ

作品中、アムロとセイラの絡みは1回しかありません。

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

アムロ、何か悪い予感がするの、気を付けてね。』
『大丈夫ですよ、セイラさん
そんな感じの会話が1度だけ交わされるだけです。  
けど、それだけのシーンで、お互いに信頼してるのが何となく伝わる。 
こんなトコも、せめてもの安彦さんのサービスなんでしょうね・・・多分。

ブライトから『アムロの捜索打ち切る』との発表で、
泣いちゃうフラウ・ボゥ。

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

フラウを抱きしめて、なぐさめるセイラ。

自分は全く記憶に無いが、旧作でこれに似たシーンってあったのかな?
フラウ・ボゥって、もっと強い子だったようなイメージです。

セイラさんですが、筆者の思い違いかも知れませんけど。
『よろしくてよ』みたいな言葉使いは、旧作のままなのですが、なんだかそれがしっくり来なくて
旧作には確かにあった品の良さみたいなのが感じらなくて、ただ気が強いだけの人みたいに見えてた。  

出番も少なくて描き切れない部分は有ると思いますがね。
昔とイメージ違ってしまっても、仕方無い部分ってありますね。
40年以上経過してる訳ですから。  

ドアンの島の話。

とは、言うものの、
実はモビルスーツ戦のシーンはそんなに多くない。
ホワイトベースのクルーの活躍シーンも多くない。

ストーリーの中核は、ドアンの島の話です。

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

ドアンと戦災孤児達の話。

こういうのって、
誰が描いても宮崎アニメみたいになってしまうものですが、
これはちゃんと安彦さんのアニメでした。  
やっぱり絵の力なんだと思います。  

まさか、こんなシーンが!

これは、ランバ・ラル戦ではありません。

まるで、ランバ・ラルのグフとの戦闘のようなシーン。

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

でも違います。
これは、ドアンのザクとの戦闘です。

明らかに、旧作のランバ・ラル戦を意識してるような構図。

これは、ア・バオア・クー戦ではありません。

不時着する、セイラのコアブースター。

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。
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炎に包まれる、ガンキャノンのコックピットから脱出するハヤト!。

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

両足を破壊されてしまう、カイのガンキャノン!

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

まるで、どこかのア・バオア・クーで見たようなシーン。

そっくりシーンの意味する物は?

不時着するコアファイターから撃破されるガンキャノンまでの3枚は、
劇場版機動戦士ガンダムⅢの終盤のア・バオア・クー戦の中で、
とてもよく似たシーンがありましたよね。

もちろん、意図してやってるんでしょうけどね。  
ここでそんな誰でも知ってる有名なシーンを入れるのは何故なのか?  
という考察になります。 

もしも、ガンダムをリメイクするのであれば、
映画3本~4本・・・場合によってはそれ以上のサイズ感になると思われます。   
そこまで作るのは無理だが、せめて1本だけならば・・・・
みたいな事情で作られたのが、この『ククルス・ドアンの島』なのかな?

そう思うと、『ククルス・ドアンの島』だったのも分かるような気がします。  
映画1本分しか無いのでは、全体ストーリーへの影響がほぼ無い
『ククルス・ドアンの島』しか選択肢は無かった
そういう事だったのでは無いでしょうか?
想像でしかありませんが。   

安彦さんとしては、もう2度とガンダムを作るつもりは無いのでは?
ランバ・ラル戦もア・バオア・クー戦も2度と描く事は無いから、
だから、せめてものファン・サービスにと、似たようなシーンを作った。
そんな気がしてならないのですよ。  

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そしてコレは、富野監督へのプレゼントでは無いのか?

ヤマトにあって、ガンダムに無かった物。

宇宙戦艦ヤマトの話。
ヤマトにあってガンダムになかった物は何か?
それは中割を沢山使った贅沢シーンです。  

自分は最近のヤマトは一切見てなくて、知っているのはすごい昔の作品だけです。
TV版第1シリーズで印象的なシーン。

遥か遠くの方からヤマトが近づいて来て、
波動砲の砲口のライフリングが見えるくらいのどアップになって、
眼前を横腹を見せて横切って、後ろ姿になり巨大な噴射口を見せる、
それからどんどん遠ざかって行き見えなくなる。

こんなシーン覚えてるでしょうか?
1回の放映の中でも、最初か最後に1度は入ってた絵だと思いますよ。
派手な戦闘シーンでは無く、どちらかと言えば地味な絵です。 
が、  
これが金のかかる事らしい。
動きをスムーズにするには大量の動画(これが中割というらしい)を書く必要があり、
コスト的にかなりヘビーだと言う事です。  

何かで読んだのですが、富野監督は最初のガンダムのTV版の中で、
コレをやりたかったらしいんですよ。
ホワイトベースが飛んでくシーンでね。
でも金が無くて無理だった・・・・との事でした。  

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

旧映画版の中で1回だけやったとかやらなかったとか。
当時の富野監督はヤマトをぶっとばせ!の意気込みでガンダム作ってたので、
これは口惜しい事だったと思います。  

劇場版『ククルス・ドアンの島』の終盤では、
伸びやかに飛行するホワイトベースの絵がタップリ入ってます。

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劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

勝手に思ってましたが、
これは当時くやしい思いをした富野監督への安彦さんからの贈り物。

ただ、ホワイトベースが飛んでるだけのシーンですけどね。
そんなウンチクを頭に置いて観ると、感慨ひとしおであります。

劇場版 機動戦士ガンダム ククルス・ドアンの島 DVD版より。

CGの時代になってしまいましたので、
手書きの時代程はお金はかからないんでしょうね。  

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